担当者名:代表取締役社長 内藤 葉子様
業 種:和菓子製造販売業
従業員数:50名
導入の背景
導入の決め手
導入後の効果
各部門毎に必要に合わせて用意したはずのシステムが、気づけば4つに分かれてしまい、データが分散化。結果的に業務を圧迫していました。
1週間の製造計画を立てる際には、製造ロスを減らすため、去年の販売数を参照したいと思っていましたが、システムが分散していたため会社全体の販売数を直ぐにつかめない状態にありました。更に各部門で管理している商品の単位も違っていたことから、出荷業務において「どの商品を、いくつ用意すればよいのか?」という集計も簡単にはできない状態になっていました。
繁忙期の出荷時には、製造部門への指示は手書きの送り状で溢れ、内容によっては記入者への再確認が発生したり、出荷1つ1つに多くの時間を要する状況を生んでしまっていました。
電話注文時にもこんな課題が・・・
お客様から「前回と同じ内容で注文をしたいのですが?」とご注文をいただいた際に、前回の注文情報は送り状をPDFとして保存していた為、探すのにひと手間ふた手間かかっていました。場合によってはPDFとして保存できていないものもあり、1度電話を切った後もそれなりの時間を要していました。
このように課題が山積する中、「一体何から手を付けてよいのやら?」という状況でした。
この状況を何とか改善できないかと、社長自ら、しまねソフト研究開発センター(https://www.s-itoc.jp/)が毎月開催している「IT経営相談会」へ相談に出向きました。
相談の結果、最初に着目したのは、昨年の「販売数」から製造計画を立てられる ようにするためのツールの選定でした。 従来のシステムは、卸や個人といったお客様の種類ごとに4つに分かれていました。 まずはkintoneなどのツールを導入し、全てのお客様の情報を1つのツールへ登録することで、 過去の販売実績の集計を容易にすることを検討しました。 しかし業務上必要な、納品書や請求書・出荷指示書などを用意する ためには、別途、販売管理システムを用意しなければならず、システムを減らすなどの根本的な課題解決に至らず見合わせることになりました。
もう1度、基本に立ち戻って「本当の問題は何なのか?」を棚卸することになりました。
そこで見えてきたことが、以下のようなことでした。
以上のことから、IT経営相談会の相談員と共にITツールの検討を重ねた結果、通販Bestの話を聞いてみるということになりました。
通販Bestでは、標準機能でBtoCの顧客対応機能、アソート(詰め合わせ)機能、ピッキングリスト(出荷指示書)はもとより、売掛請求の機能にも対応しており、今まで課題と感じていたことが1つのシステムで実現ができることがわかりました。
求めていたのは「これだった」と、すぐに導入を進めることになりました。
左図のように別々のシステムで管理していた情報が通販Bestを導入することで一元管理が可能になりました。
導入当初こそ、お店の売上は別管理としていましたが、後々、レジの集計データを通販Bestに取込する機能を追加したことで、会社全体の販売実績が確認できるようになりました。
集計機能を活用すれば、一目ですべての実績が確認できるようになったことで、課題としていた”昨年の販売数”を基に製造計画を立てるということが実現できました。結果として、製造ロスを減らすことにも成功しました。
アソート機能は、お客様から電話で注文があった際、詰め合わせ商品を商品マスタから選択でき、その結果、詰め合わせ商品の内容がそのまま出荷指示書等に印字されます。これにより、今まで手間がかかっていた、送り状への手書き、”読めない文字”の聞き直し、送り状のPDF化など、当たり前になっていた作業がなくなりました。導入時も出荷担当者に負担がなく、かなりスムーズに浸透できた印象があります。
そもそも、社内の課題を解決することを目的として、システム導入を進めましたが、結果としてお客様から「以前より電話対応がよくなった」「すぐに注文を受けてくれる」などのお声が届くようになりました。
リクエストの多いお客様への対応時間が減るだけではなく、苦情も減り、サービス品質が向上できたことが、大変嬉しい副産物になりました。
池田様
単刀直入に、通販Bestのおかげで業務がかなり改善されました。
まずは、詰め合わせの商品があることで、システム化できていなかった詰め合わせ商品の手書きが無くなったこと、集計作業が無くなったことが大きいです。
詰め合わせ商品に次いでリクエストが多い“熨斗”のご要望も「どのような熨斗」を希望されるかを備考欄などを使って記録できたり、後払いの際の未入金情報アラート表示でお支払いをお忘れのお客様にすばやく情報をお伝え出来たりと、お客様対応がしやすくなりました。
電話注文を受ける際にかかる時間も”半分”程度になったように思います。
また、注文を受けた人だけでなく従業員全員で情報をシェアできることも、お客様対応がしやすくなった点になります。
個人的には、産休で長期のお休みをいただく際のお客様情報の引継ぎも安心できるものがありました。
昨年はインボイス制度前の準備に不安があったので、アール・シー・エスさんのサポート窓口に問い合わせをし準備物を事前確認しました。サポートの方に親切に教えて頂いたので、トラブルもなくインボイス対応を終えることができ、大変感謝しています。
今後は通販Bestの機能のRFM分析機能を活用して、優良顧客や一般顧客へのDMの送り分けなど、有効会員に適切な販促を行いたいと考えています。
また、通販Bestで未だ使いこなせていない機能もたくさんあるので、他社様の運用事例を参考にしながら当社でも取り入れていきたいです。
▼オンラインショップ
https://www.furyudo.jp
▼ 直営店
・ 風流堂 寺町本店 / 五風庵(風流堂 寺町本店内)/ 風流堂 京橋店 / 風流堂 矢田店
風流堂の起源を探るとそれは江戸時代まで遡ることになります。
最初は新潟と松江間の回船業を営んでおりました。後に風流堂の創設者となる初代内藤竹次郎が陸運の発達により海運業がすたれたため、商売替えでお菓子屋を始めたのが、明治23年(1890年)のことになります。 各土地から多くの職人を招き、菓子作りの技法、味を学び習得してきました。そのため京(上方)菓子、江戸菓子を含め、様々な土地の菓子の製法が風流堂に蓄積されていきました。
また、松平不昧公好みのなかに、「山川」というお菓子があります。 二代目隆平の時代、大正のはじめに当時の町の有力者の集まり”どうだら会”より町おこしの一環として、この「山川」の復刻を依頼されました。
「山川」の復刻には困難を極めました。江戸時代のお菓子である「山川」は、幕末から明治へとの時代の変革の中で製法が失われていました。わずかに残された文献を読み、古老や茶人をたずね、原材料となる「寒梅粉」自体の製造をはじめ、ようやく約100年の時を経て、「山川」が復刻することになります。
そして、松江の名物にと、隆平は、この「山川」が誰にでも作られるように、その技術を他のお菓子屋にも広く伝えていきました。
それもすべて、茶の湯が日常に愉しみとしてある松江のお客様に求められたからといえます。
我々風流堂はお客様に育てられて参りました。
菓子職人の技とまごごろでこれからもお客様に愛されるお菓子を作り続けていきます。